4月13日、波乱の開幕となった大阪・関西万博。当日は強い雨も降る荒天で、会場のシンボルである「大屋根リング」では雨水があふれ、ずぶ濡れになった来場者からは怒号が飛び交うなど、トラブルばかりが話題にのぼった。なかでも混乱を招いていたのは、トイレ環境だ。
会場内に設けられたトイレは約40か所。そのうち8か所は万博協会が「若い世代の活躍・飛躍のきっかけ」として、公募した若手建築家に「価格が低廉」であることに加えて「デザイン性も兼ね備えたもの」を発注した。
「トイレ1」から「トイレ8」まで8か所ある“デザイナーズトイレ”の一部は解体費込みで約1億5000万円で契約されたことが報道され、世間の関心の的となった。しかし、蓋を開けてみれば、そのオシャレ過ぎるデザインが引き起こす混乱っぷりがSNSを賑わせている。
混乱の内容は、男女の区別がつかない、水が詰まっている、手洗い場が使いづらい等々。《このトイレは舐めてんのかと思った》と怒りの投稿も多いなか、目の前でトイレの扉が破壊される現場に遭遇した人もいたようだ。
「Xで話題になったのは、男女のカラー別がなく扉も壁部分も全面シルバーで、どこが個室なのかすら一見分からない『トイレ1』での報告です。さらにこのトイレはエレベーターであるような、個室の両側が扉になっていて、入った扉と反対側の扉から出るスタイルなのです。
なので、並んでいる人から個室が空室か使用中かの判別がしづらい。施錠されると扉外にあるマークが点灯することで個室内の人の有無が確認できるのですが、その光も控えめで、非常にわかりにくいものとなっています」(ウェブメディア編集者)
そんな『トイレ1』で、早速初日からトラブルが発生したとXで拡散されている。
《万博なう 目の前でトイレ破壊された このトイレは入り口と出口が別なんですが、それが掲示されてないので「いつまでも出てこない」と勘違いした人が扉破壊してた》
4月13日の午後1時半過ぎ、この目撃談が現場写真とともに投稿されると、《わかりにくーい!》《この設計、失敗でしょ》と疑問が続出し、X上で1000万回以上表示されるほど波紋を広げた。
何かとツッコミどころ満載な万博のデザイナーズトイレ。当サイトでは同日、会場に足を運んだ建築エコノミストの森山高至氏に、万博におけるトイレの問題点について話を聞いた。