『海のはじまり』大ヒットも薄すぎた主役・目黒蓮の存在感 夏が父になれなかった置いてけぼり状態の悲劇が起きたわけ【2024ドラマ一大事】

ドラマライター・ヤマカワ ドラマライター・ヤマカワ
2024.12.28 22:10
『海のはじまり』大ヒットも薄すぎた主役・目黒蓮の存在感 夏が父になれなかった置いてけぼり状態の悲劇が起きたわけ【2024ドラマ一大事】 Snow Man目黒蓮(C)ピンズバNEWS

 2024年もそろそろ終わり。昨今は視聴率だけでなく、配信サービスの再生回数もヒットの基準になっている。そこで、そんなデータから話題になったドラマを振り返ってみよう。

 Snow Man・目黒蓮(27)主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)は、人はいつどのように“父”になり、いつどのように“母”になるのか、さまざまな形の“親と子”のつながりを通して描く“家族”の物語。全話平均視聴率こそ7.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と突出はしていないが、配信サービス・TVerの再生回数は7148万を記録した。

 社会現象を起こす大ヒットとなった、22年10月期放送の『silent』(同局系)に続き、主役を演じる目黒に注目が集まったが、残念ながら全体を通してその存在感は薄かった。それは、前半は父ではなく、母にまつわるエピソードが続いたことが大きい。

 初回から、主人公・夏(目黒)の子どもを産んだ亡き元恋人・水季(古川琴音/27)、その母・朱音(大竹しのぶ/67)、ツラい中絶を体験している恋人・弥生(有村架純/31)と、それぞれにスポットを当てる回が続き、さらには第5話では、夏の母・ゆき子(西田尚美/54)がメインに描かれた。

 夏のまわりの“母”たちを丁寧に描くことで、視聴者の共感は呼んでいたが、“父”として迷いっぱなしの夏は、置いてけぼり状態が続いていた。自分が知らない間に生まれていた、娘・海(泉谷星奈/7)と出会い、夏が“父”になる話なのかと思いきや、“母”たちの受けにまわるばかりの展開が続き、なかなか主人公の出番がまわってこなかったのだ。

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