韓国で7月30日に公開された話題の映画『ゾンビ娘(原題)』を釜山で観た。不幸にも娘がゾンビになってしまったが、彼女に学習能力があることを一縷の望みとして社会復帰させようと奮闘する父親を描いたコメディで、2025年に劇場公開された韓国映画で初めて500万人以上の観客動員に成功した。
監督は『人質 韓国トップスター誘拐事件』『運の悪い日』のピル・カムソン、原作はイ・ユンチャンのウエブトゥーン『ゾンビになってしまった私の娘(原題)』でアニメ化もされている。
■タイトルに堂々と「ゾンビ」を謳った珍しい映画『ゾンビ娘(原題)』
ゾンビものは拒否反応を示す人が一定数いるので、Kゾンビ(韓国のゾンビ映画やドラマ)では題名に「ゾンビ」の文字を入れない作品が多い。コン・ユ主演映画『釜山行(邦題:新感染 ファイナル・エクスプレス)』やパク・ヒョンシク主演ドラマ『HAPPINESS/ハピネス』、パク・チョンミン主演ドラマ『二ュートピア』などはその例だ。
『ゾンビ娘(原題)』のようにタイトルにゾンビの文字が冠されているということは、家族でも安心して観られる内容という逆説である。実際、本作は世界のゾンビ映画史上きわめて稀なハートウォーミングな作品だった。それは主要な登場人物の顔ぶれからも明らかだ。

■ゾンビ娘の父親役は『賢い医師生活』のチョ・ジョンソク、祖母役イ・ジョンウンとゾンビハンター役のチョ・ヨジョンは映画『パラサイト 半地下の家族』女優陣!
大ヒット作『賢い医師生活』シリーズで知られるチョ・ジョンソク(1980年生まれ)は、映画では『EXIT イグジット』で940万人以上、『パイロット』で430万人以上を動員したのに続き、本作でも500万人以上を動員。幅広い層に支持される好感度抜群のスター俳優だ。現在、日本で公開中の映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』でも主役を務めている。
ドラマ『Missナイト&Missデイ』や『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』での熱演が記憶に新しいイ・ジョンウン(1970年生まれ)は、ゾンビになった娘のおばあちゃん役。ドラマ『エージェントなお仕事』で本人(女優)を演じたチョ・ヨジョン(1981年生まれ)は、主人公(チョ・ジョンソク)の初恋の相手だが、じつはゾンビハンターだったというおもしろい役だ。
映画『パラサイト 半地下の家族』では、イ・ジョンウンは大邸宅のわけあり家政婦役、チョ・ヨジョンは家政婦を雇っている天然な社長夫人役だった。