【プロ野球】球界裏話すっぱ抜き! 新庄剛志の盟友が解説する“新庄マジック”の源泉、ヤクルト・村上宗隆の“今後”

ピンズバNEWS編集部 ピンズバNEWS編集部
2025.08.10 02:00

■愛弟子・清宮幸太郎が球宴MVPを獲得!! 日ハム快進撃「新庄マジック」の真髄

 まさにマジック。新庄剛志監督率いる日本ハムが快進撃を続けている。

「7月29日からのソフトバンクとの直接対決で首位陥落こそしましたが、前半戦の勝率は阪神より上。

 就任当初は少なくなかった冷ややかな見方の識者も、ここまで劇的な変貌ぶりを見せつけられたら、もはや、その手腕を認めないわけにはいかないでしょう」(スポーツジャーナリスト)

 では、そんな新庄監督の凄みである“マジック”の源泉は、どこにあるのか。

 日本ハムOBで、新庄監督とは同学年の盟友でもある岩本勉氏が指摘する。

「言葉にすると簡単そうにも聞こえますけど、何よりも“できる・できない”ではなく“やるか・やらないか”を徹底させたこと。これに尽きると思います。

 それを、ふだんの練習だけでなく、試合でも一貫してやり続けるから、結果として相手の嫌がる先手が打てる。それがチーム全体としての余裕にもつながっているんじゃないですかね」

 そんな余裕を今季、とみに感じさせるのが、今やチームリーダーの風格さえ漂う清宮幸太郎(26)。 先のオールスター戦では自身2度目のMVPにも輝くなど、ここ一番での勝負強さはまさに、かつての“師匠”を彷彿とさせる。

「他ならぬ監督自身が高卒からプロに入って、研究と反復を繰り返して己を鍛え上げてきた人。それだけに自ら強化指定した清宮や野村祐希(25)、万波中正(25)らには期するところもあったんでしょう。

日本ハム 野村祐希
新庄剛志監督自ら強化指定した野村祐希

 今の日本ハムには、大谷のような“飛び級”選手は一人もいない。一重に、昨季までの3年間で積み上げてきた、気づきと行動の賜物ですしね」(岩本勉氏)

 一方、前半戦だけ完投数が「21」に達するなど、他とは一線を画した投手陣の運用法も目を見張る。

 それでいて、大事な後半戦の“開幕投手”を、高卒ドラ1・柴田獅子(19)に託すといった“らしさ”も健在。他球団の首脳陣をして「何をして来るか読めない」と言わしめるのも頷ける。

「“代えたい”と思ってからのベンチの我慢が、投手の成長を促す、と言ったらいいのかな。伸び盛りの早い段階で、完投のようなタフな経験をさせるのは、投手自身に己のポテンシャルに気づかせるという意味でも、後々まですごく生きる。達孝太(21)なんかは今後、ますます伸びていくでしょうからね」(岩本勉氏)

 そんな新庄独自の成長戦略も功を奏して、今や、その選手層は「1軍2チーム分」とも評されるほど。

 野手が複数のポジションを当然のようにこなす光景も、もはやハムでは日常と言っても過言ではない。

「本職以外のポジションを守らせてエラーでもすれば、投手の士気にまで影響する。その意味で、これもギャンブルだったと思います。

 とはいえ、新庄監督は、そういうときにも個々の選手のやる気を引き出し、チャンスを与え、ときに厳しく突き放しながらも、“自分でもぎ取りに来いよ”と懇々と説き続けた。その積み重ねが結実したのが今なんじゃないかな、と僕は思ってますけどね」(岩本勉氏)

 新庄ハムにとっては、未知の領域とも言える終盤戦のデッドヒート。

 巨大戦力を擁するソフトバンクに、名将・新庄が、どんな“マジック”を繰り出すか――。

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