■ユダヤ人の子孫をアジア各地で発見
彼らは“失われた10支族”と呼ばれ、歴史の表舞台から姿を消しましたが、一部は、シルクロードを東へと進み、やがて日本にたどり着いたとも言われています。
ちょうど、その頃の日本列島は、縄文から弥生時代のあたりです。人々は狩猟や漁、農耕を行いながら、自然とともに穏やかに暮らしていました。
戦火を逃れてきたユダヤ人にとって、日本はまさに、安息の地のように映ったのではないでしょうか。
日ユ同祖論は、ユダヤ人研究者の中にも肯定的な意見があり、関連書籍も複数、出版されています。
また、イスラエルの大学が、日本で子孫を見つけたと発表したこともありました。結局、その子孫が誰かは明かされませんでしたが、イスラエルの調査機関『アミシャヴ』が、中国やミャンマーなどで子孫を見つけた例もあるので、日本にも、その可能性があると私は考えています。
日ユ同祖論を語るうえで、もう一つ欠かせないのが神事です。相撲とも深く関わるこのテーマには、日本とユダヤを結ぶヒントが隠されています。
次回は、その神事に焦点を当てて、紹介したいと思います。
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。