多部未華子『対岸の家事』不調の原因は“火曜日のドラマ渋滞”だけではない “見る人を選ぶ”主婦層以外に刺さりにくい超リアル路線

ドラマライター・ヤマカワ ドラマライター・ヤマカワ
2025.04.15 08:48
多部未華子『対岸の家事』不調の原因は“火曜日のドラマ渋滞”だけではない “見る人を選ぶ”主婦層以外に刺さりにくい超リアル路線 『対岸の家事』主演の多部未華子(C)ピンズバNEWS

 多部未華子(36)主演の火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系/毎週よる10時)の第3話が、4月15日に放送される。初回の平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は6.5%の好発進だったが、第2話目にして1.5ポイント減の5.0%と、大きく数字を落としている 。

 同ドラマは、朱野帰子氏のお仕事小説『対岸の家事』(講談社文庫)が原作。専業主婦・村上詩穂(多部)が、働くママや育休中のエリート官僚パパなど、異なる立場や考え方を持つ「対岸にいる人たち」との交流を通し、“家事”という終わりなき仕事を描く。ほんわかしたビジュアルイメージとは裏腹に、育児と家事の問題に鋭く切り込んでいる。

 8日放送の第2話は、詩穂は公園で、厚生労働省の官僚で2年間の育休中だという、中谷(ディーン・フジオカ/44)と出会う。苺(永井花奈/3)と中谷の娘・佳恋(五十嵐美桜/2)は年頃が近く、詩穂は初めてのパパ友ができたことに一瞬は喜んだが、中谷は自らの育児計画に自信満々で、詩穂に対して専業主婦を見下す発言を繰り返す。

 一方、長野礼子(江口のりこ/44)は、同期の営業部の男性が課長に昇進したと知り、「彼は全然仕事ができなかったのに」と詩穂に愚痴をこぼす。そんな中、中谷はドバイに単身赴任中の妻・樹里(島袋寛子/41)から、話し相手になってくれているママ友を大事にするよう言われ、詩穂と苺を相談なく水族館へ連れていき……という展開。

 視聴者のX上の反響は、《パパママ友が「同僚」っていう言い換えがしっくり。たまたま一緒に、でもそれぞれ戦ってる感じ》《中谷さんの妻、夫の性格を見越して苦言を呈してくれる気遣いの人なのいいな。詩穂ちゃんも礼子さんも中谷さんも、出てくる人たちみんな完璧じゃなくて、そういうのが人間らしい》などと、多くの共感の声が。

 育児状況の描写がリアルで、共感の声は主婦と思しき視聴者から多く寄せられている。ただ、《乳幼児期の子育てがあまりにもリアルに描かれていて当時のしんどさが蘇ってしまった》という声もあり、内容が重いことは確か。子育てについて「そんなこともあったな」と思えず心穏やかには見られなかった人、そして、描写が刺さらない主婦層以外の人たちが離脱したのが、視聴率ダウンの原因のひとつだろう。

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