柳楽優弥『ライオンの隠れ家』番組最高視聴率を更新 終盤の好調を支える坂東龍汰の神演技とサスペンスとの絶妙バランス

ドラマライター・ヤマカワ ドラマライター・ヤマカワ
2024.11.29 08:00

■坂東龍汰の表情と仕草だけの演技がすごい

 愛生(尾野)の夫・祥吾はいったい何者なのか? 政治家とのつながりも匂わせ、サスペンス要素が強くなってきた。その一方で、3人が暮らすシーンにも《このドラマの何が凄いかって、何が起ころうともちゃんと日常が並列してるんだよね。登場人物が食べて働いて外で会話をしてる。ちゃんと生きてる》などと称賛の声が。

 その《日常》を見事に表現しているのが美路人(坂東)だ。今回はルーティーンを崩すことに逡巡し、踏み出す姿が描かれたが、役柄的に言葉で説明できないのに坂東は表情と仕草だけで感情の動きを見事に表現した。だからこそ視聴者は美路人ら3人に強く思い入れをし、応援する声もこんなに集まったのだろう。

 さらに、3人の温かな《日常》に思い入れが強いからこそ、サスペンス部分も盛り上がる。次回は愛生がペンションにやって来て、3人がバラバラになるかもしれない。また、夫・祥吾側が強引な手段に訴えてドラマは一気に動くようだが、その先に待っているのは、幸せな結末であることを期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。

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