【24年夏旧ジャニドラマ「天国と地獄」】緊急休養で“激やせ”説の目黒蓮、“棒読み”の櫻井翔は何位?「コア視聴率ベスト5」

ドラマライター・ヤマカワ ドラマライター・ヤマカワ
2024.09.15 02:55

■1位ドラマは海外戦略も充実

 主演の松本のコミカルとシリアスのバランスの良い演技、それを受ける松村の繊細な演技は、視聴者から高く評価されている。

《台本もすごいけど、あの2人の演技力化け物だな。演出やカメラワークも素晴らしい》
《一話での展開が速いのにこの満足感、説明は無くても察しがつく松本若菜さんと松村北斗さんの演技力で成立してる感。喜怒哀楽全て直球で伝わって感情が忙しい、何この2人の無理と無駄のない怒涛の台詞回し》
《松村北斗の感情表現の絶妙な演技力には言葉が出ないし西園寺さんの愛されキャラが松本若菜の素の良さとマッチしてるしもうみんな良すぎるって…》

 などなど、メイン2人の評価は抜群だ。

「『西園寺さん』は松本にとって初のGP帯連ドラ主演作ですが、以前から名バイプレイヤーとしてドラマ好きの間では有名な女優でしたよね。

 そして、松村さんも旧ジャニーズでもトップクラスの演技派で知られていましたが、楠見のような“自分を追い詰めてしまう青年”役は非常に上手い。2人とも『西園寺さん』での名演技によって、役者としての地位を確固たるものにしたのではないでしょうか」(前出の制作会社関係者)

■第1位 嵐・二宮和也(41)主演の『ブラックペアン シーズン2』(TBS系/日曜夜9~/15日終了) コア視聴率3.7%(9月8日放送の第9話) TVerお気に入り登録者数126.4万人

『ブラックペアン』は、海堂尊氏の医療小説『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』(講談社)が原作のメディカルエンターテインメント。2018年放送のシーズン1の続編であり、“主演は二宮のままだが、役はシーズン1と瓜二つの別人”という点が注目を集めていた。

「二宮さんは23年10月に旧ジャニーズから独立していますが、嵐としてはSTARTO社とエージェント契約しているし、“現役”タレントとともにYouTube『よにのちゃんねる』などもやっていて現在も旧ジャニーズタレントのイメージが強いですよね。

『ブラックペアン』が放送されている『日曜劇場』枠は、裏番組に『行列のできる相談所』(日本テレビ系)、中居正広さん(52)とムロツヨシさんがMCの『だれかtoなかい』(フジテレビ系)と強力なバラエティ番組が並んでいますが、それでも高視聴率を維持している。今年の夏ドラマでもコア視聴率は断トツ1位となりました」(前同)

 ドラマ『ブラックペアン』は、原作小説と違うオリジナル展開、演技派の二宮による1人2役の演じ分け、迫力ある手術シーンなど、多くの見どころがある作品。視聴者からの評価も圧倒的だ。

《天城先生と渡海先生(どちらも二宮)でオペの所作や指示出しの声、言い方とか全然違くて目元しか見えてないのに全くの別人に見えるの、二宮くんの演技の凄さにまた震えた………佐伯先生に詰め寄るあの感じも》
《ブラックペアン観てるねんけど二宮くんほんまに演技上手すぎるわ 天城先生と渡海先生別人に見えるもん》

 といった二宮の演技力を称賛する声が多く寄せられている。

「二宮さん以外にも、竹内涼真さん(31)や、韓国人のキム・ムジュンさん(26)といった、若い準主役キャラを演じている俳優陣も好評ですよね。

 韓国で活躍するムジュンさんの起用や、海外でのスペシャルファンミーティングなど海外戦略への強い意欲も感じさせますよね」(同)

『ブラックペアン』は現地からの要望を受け、9月13日に台湾、14日に韓国・ソウルにて、TBSドラマ初のスペシャルファンミーティングを開催。台湾には二宮と竹内、ソウルには二宮とキム・ムジュンが出演した。TBSは今年5月に韓国の総合エンターテイメント企業『CJ ENM』と今後3年で3本以上の地上波ドラマ、2本の劇場用映画を共同制作することで合意している。

 総括すると、『ブラックペアン』がリアルタイムのコア視聴率では断トツの1位。そして、見逃し配信では『海のはじまり』が抜けた1位ということに。

 今回取り上げた24年夏ドラマについて、これまで数多くの旧ジャニーズ作品を観てきたドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。

「STARTO社の若手俳優が健闘した夏ドラマでしたが、彼らに底知れない表現力で実力の差を見せつけたのが、大先輩格である嵐の2人だったのではないでしょうか。

 二宮さんは『ブラックペアン』で、渡海と天城という瓜二つの双子を、立ち姿や細かい表情の変化だけで演じ分ける、非常に繊細な演技力を発揮。一方の櫻井さんは、視聴率は伸び悩んだものの、中身が空っぽだという若き政治家の奥底にある、怒り、悲しみ、虚しさを表情に映し出した。後輩たちが2人に追いつくのは、まだ先になりそうですね」

 さまざまな問題はあったが、やはり人気の旧ジャニーズ勢のドラマ。10月クール以降も、素晴らしい作品を生み出してほしい。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。

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