『海のはじまり』弥生・有村架純と別れた夏・目黒蓮が集中砲火のドン底展開 最終回の“救いのカギ”はいまだ未読の水季の手紙

ドラマライター・ヤマカワ ドラマライター・ヤマカワ
2024.09.16 07:30

■水季・古川琴音の呪いはいつ解けるのか

 まともに考えれば、まだ現実を客観視できていない7歳の女の子に、将来の選択を迫るべきではない。いかにドラマとはいえ、夏(目黒)の判断は身勝手すぎて、自分で決めようとしない“逃げ”のようにしか感じられない。

 また、2人での生活を不安視する声も多いが、実際、次回予告では海(泉谷)がどこかに行ってしまい、狼狽する夏の姿が。さらに、津野(池松壮亮/34)から「分からないですよね、南雲さんがいた時も、いなくなった時も、お前いなかったもんな」と、言い捨てられる場面もあり、どん底の展開となりそうだ。

 この流れから、いったいどのようなラストを迎えるのか? 予告には、夏だけが亡くなった海の母・水季(古川琴音/27)が「いるか、いないか」にこだわっていると、津野が指摘するセリフがある。確かに本作では、水季の存在が呪いのように夏を縛りあげ、事態を面倒なことにしている。もしも、この呪いが解ければ、夏はもっと冷静に、海との幸せな関係を見つけていけるはずだ。

 そのヒントは、いまだ夏が読んでいない、水季が夏あてに書いた手紙にあるようだ。X上では、まだ夏が読んでいないことをツッコむ声があったが、そもそも読んでいない描写は伏線だろう。そこに書かれたことが夏を呪いから解放し、ようやく海の“父”になることができるのではないだろうか。たくみな伏線回収を何度も見せてきた本作なら、ありえるはずだ。

 海と2人で暮らすことに夏がこだわりすぎているため、今のところは最悪な流れになっているが、夏と別れた弥生(有村)は、今も“友だち”として寄り添っている。誰も傷つかないよう、最後に救いがあることに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。

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