8月28日から9月8日に渡ってフランスで開催されるパラパリ五輪。1日(日本時間・2日)に行なわれた視覚障害部門の男子100m走では、福井市出身の川上秀太選手(25)が同部門36年ぶりとなる銅メダルを獲得するなど、パリ五輪に負けない盛り上がりが現地では生まれているようだ。
しかし、パラ五輪に出場している選手からはメディアでの扱いが小さいことに不満の声も漏れているという。
「2023年と24年の全仏オープンを制覇し、車いすテニスで世界ランキング2位につける小田凱人選手(18)がXに“明日試合はあるけどテレビ放送はないらしいです。”と、9月1日に投稿。すると、ユーザーからは1.5万回も閲覧されコメント欄には“応援しています”などの声が殺到しました」(スポーツ紙記者)
小田選手は投稿内で《多分試合は日本時間日曜日のゴールデンタイム。なんのためにメディアに出て、演出してきたか分かんなくなりそうだけど、これが現実。 とりあえず試合で魅せます。》と本音を吐露。それでも言葉通りの快進撃を見せ、日本時間5日朝時点で準決勝への進出を決めている。
パラアスリートからは不満が漏れる、五輪アスリートとのテレビでの扱いの違い――弊サイトは、元テレビ朝日プロデューサーで『報道ステーション』などの番組を担当してきた鎮目博道氏に話を聞いた。
「テレビがパラ五輪を扱わない理由は大きく2つです。1つは視聴率が取れないから。国際大会は放映権料がそもそも高い。その中で、視聴率が取れないとなると局としても放送を尻込みしてしまいます」(鎮目氏)
現にパリ五輪の開会式の世帯視聴率が12.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区・以下同)だったのに対して、パラ五輪の開会式の世帯視聴率は1.7%。世間の注目度の違いが、地上波番組での露出度の差につながっているというわけだ。
「もう1つは、スポンサーが番組につかないということです。話題になりやすく、多くの人の目に留まる五輪は企業イメージ向上につながりやすいので、協賛する企業も多いです。ただ、パラ五輪はどうしても世間の耳目を集めにくい。そうなると番組作りをしようにも、予算が集められない。
今回はパリ開催ですし、放送するためには現地へとスタッフを派遣する必要もある。現地でスタジオを設定する必要もあります。放送のための国際回線使用料金だって高額です。そうなると莫大な予算が必要になる。各局、放送を躊躇ってしまうのでしょう」(前同)