目黒蓮『海のはじまり』仇となった生方脚本の“丁寧な描き方” 有村架純&大竹しのぶの熱演も実らず序盤に急失速の暗雲

ピンズバNEWS編集部 ピンズバNEWS編集部
2024.07.22 18:30

■『海のはじまり』の出来は素晴らしいが

「大竹と有村の演技は確かに素晴らしかった。また、夏と海の“親子”の関係を描く前に、朱音(大竹)と弥生(有村)をフィーチャーし、母が子を持つということはどういうことなのかを描くのも正しいです。ただ、そのパートが長く、なかなか“親子”の物語が始まらない。予期せぬ妊娠や死を描いて重い雰囲気だったうえに、展開の遅さに焦れて離れた視聴者が多いのではないでしょうか」(ドラマライター/ヤマカワ)

 今回のラストで、海が「夏くんパパやらなくていいよ。でも、いなくならないで」と語りかけると、夏が「水季の代わりにはなれないけど、一緒にはいれる」と応じた。ようやく夏と海の心が近づき、親子らしさが出てきたが、ちょっと遅かったのかもしれない。

「脚本家の生方美久氏は、初めて連続ドラマの脚本を手がけた『silent』から、丁寧な描写が魅力で、ファンはそこに期待しています。しかし、すべての視聴者が生方脚本の手法を支持しているわけではありません。今回の視聴率の大幅下降は、そのようなライトユーザーが離れてしまった結果でしょう」(前同)

 とはいえ、配信サービス「TVer」では、お気に入り登録が150.2万と、2位の『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)に40万近い差をつける圧倒的な数字(7月22日18時現在)。コアなファンはちゃんと支持しているということだろう。

 次回、夏は弥生に、海と一緒に過ごす時間を多く持つことに決めたと告げ、夏と海の“親子”の物語がゆっくりながら始まりそうだ。今後の視聴率の復調に期待したい。

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