山田邦子の芸能界‟今昔秘話”コラム 【とんねるず、酒井法子も…タレントショップブームの勝ち組は】

山田邦子 山田邦子
2025.09.05 08:00

■人気すぎてパニック 警察から出禁指令!

 原宿の竹下通りに出した1号店は常に行列ができていました。私も3回ほど店に顔を出したんですけど、そのたびにパニック状態になったので、警察に「もう来ないでください」と注意されたんです。プロデューサーが出禁だなんて、おかしな話よね(笑)。

 京都店では十二単(じゅうにひとえ)を着た邦子姫のグッズを出して、清里にはサラダレストラン『KuniKuni』をオープンしました。ただ、事業が拡大していくにつれて、私がすべてを監修することは難しくなります。そうなると、お客さんにも情熱が伝わっていきません。

 憧れの海の家も開きました。だけど、その年は冷夏で、海に人が来なかったんです。撤退しようかと考えていたら、なんと放火されて海の家は全焼! ただ、火災保険に入っていたから、損失は出ずにすみました。

 そのまま運営して解体していたら費用もかかっただろうし、火災のおかげで結果的には黒字になりました。

 その後、心配したのか、父親から電話がかかってきました。

『梅宮辰夫漬物本舗』の辰ちゃん像
現在も“辰ちゃん像”が迎える『梅宮辰夫漬物本舗』

「爪の中に砂は入ってないよな?」

 こう聞かれて愕然としましたよ! 即座に否定したら安心していたけど、「あまりに話ができすぎているから」だって。放火を疑うなんてヒドい親でしょ(笑)。

 最終的には全部の店が撤退したけど、KUNY全体では儲かっていて、損することはなかったんです。

 当時は、とんねるず、のりピー(酒井法子)など、多くのタレントが店を出していたけど、一番勢いがあったのは『梅宮辰夫漬物本舗』。普通、タレントショップといえばファンシーなグッズやカラフルなスイーツだけど、梅宮さんは漬物だからね。しかも、その漬物がおいしいの。「その手があったのか!」と感心しました。

山田邦子(やまだ・くにこ)
1980年、芸能活動開始。81年、デビュー曲「邦子のかわい子ぶりっ子バスガイド編」で有線大賞新人賞受賞。『オレたちひょうきん族』『やまだかつてないテレビ』などで人気になり、多数の冠番組を持つ。2024年10月「日本喜劇人協会 11代新会長」に就任。YouTube(山田邦子 クニチャンネル)、インスタグラム(kunichannel925

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