■ドラマはリメイク&続編ばかりに、バラエティは……
前出の民放キー局関係者が続ける。
「ドラマ部門だけではなくバラエティ部門からも今後、優秀な人材が流出すると言われています。再生に向けて動き出さないといけないフジテレビですが、そのために一番大切なのは“人材”、それも局の未来を担っていくはずの優秀な若手や中堅が離れていくというのは痛恨です。
人材流出で番組はどうなっていくか不安視されていますが……ドラマにおいては既存作品のリメイクや続編ばかりになってしまうのではないか、と指摘されていますね」
小泉今日子(59)と中井貴一(63)が主演を務めている現在放送中の月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も、2021年1月期の『最後から二番目の恋』と14年4月期の『属・最後から二番目の恋』の続編だ。
中居氏の女性トラブル以前から、フジテレビではリメイクや続編ドラマが増えつつあった。91年1月期の大ヒット月9ドラマ『東京ラブストーリー』は伊藤健太郎(27)主演でリメイクされ、20年4月よりFODで配信された。
さらに浅野温子(64)と武田鉄矢(76)が主演を務めた91年9月期の月9ドラマ『101回目のプロポーズ』の続編が検討されていると報じられている。
5月22日発売の『女性セブン』(小学館)によると、仮タイトルは『102回目のプロポーズ』。FODの作品として今秋にもクランクインする予定で、主人公に霜降り明星・せいや(32)、ヒロインには唐田えりか(27)が内定していると記事では伝えられている。
「優秀な人材が流出すると、新たなコンテンツを生み出すことが難しくなり、過去作品のリメイクや続編に頼らざるを得なくなると見られています。
バラエティ制作も苦戦を強いられます。多数のスポンサー企業が撤退し、フジテレビは328億円の赤字となったわけですから、今、あからさまに番組制作費が減っているんです。数年前の7掛けや6掛けほどの予算で、番組丸ごと制作会社に発注を出す事態になりつつあるといいます。
そうなってくると新たにスタジオにセットを組んだり、地方や海外ロケは難しくなり、これまでのような番組作りはできません。自身たちで赤字を被りたくない制作会社も“予算内でできることをやるしかない”となり、結果、散歩番組とスタジオでのトーク番組の2種類だけになってしまうのではないか、と危惧されていますね」(前同)
朝の情報・ワイドショー『ワイドナショー』が3月30日をもって終了し、4月20日からはサンドウィッチマンと狩野英孝(43)による散歩番組『かのサンド』がスタートした。
「22年4月には指原莉乃さん(32)やいとうあさこさん(55)などが出演するトーク番組『トークィーンズ』がスタート。一度セットを組んでしまえば、その後は予算をかけずに収録することができるタイプの番組ですよね。
24年10月には東野幸治さん(57)とSnow Man・渡辺翔太さん(32)MCの『この世界は1ダフル』がスタートしましたが、ここ最近の企画は『25年前の懐かし大ヒットエンタメBEST15』『小室哲哉の神曲ベスト20』『デビュー40周年中山美穂SP』など、過去のVTRをスタジオで見て、出演者がコメントするという構成ですからね。
予算がなければ制作会社もチャレンジングな企画や凝った仕掛けのロケや大型ゲーム番組には挑戦できませんし、予算の見込みが立たない時点で、そもそもアイデアが出てこないですよね。ですので今後は、低予算で作れる散歩番組やトーク番組ばかりになってしまうのではないか、と。ただ、そうなると、いよいよYouTubeと変わらなくなってしまいますよね……」(同)
FMHの株主総会後、フジテレビは再生への道を本格的に歩み出すとされるが、その道のりはやはり厳しいものになりそうだ――。