最近、コンビニで“値引きシール”が貼られている商品を見かけるようになった。こうしたタイムサービスの値引き商法は、もちろん消費者としても大歓迎。スーパーだけでなく、コンビニでもお得に買い物できる時代が到来したといえよう。
大手コンビニで、もっとも早くから値引き販売に取り組んできたローソンの広報部・田中健吾氏が、その背景について説明してくれた。
「ローソンでは、1975年の創業当初より値引き販売を行っていました。消費期限が短い商品を多く取り扱っていることから、食品ロスの削減と加盟店の利益の最大化を図るためです。
以前は店舗ごとの判断で値引き時間や値引き額、対象商品などを決定していたので、経験に頼る部分が大きかったんですね。昨年からはAIを活用した仕組みを導入することで、より簡易で効果的に値引き販売を行うことができるようになりました」(田中氏)
食品ロス削減を重要課題と捉えるローソンでは、「2025年に2018年対比25%削減、2030年に同50%削減」を目指しているという。発注の適正化、値引き販売の推進、消費期限の延長などを組み合わせながら食品ロス削減に取り組む意向だ。
「今年8月からは、新たに食品ロス削減プログラム“FOOD GOOD SMILE”を全国のローソン店舗で実施いたします。これは消費期限が近付き値引きシールが貼付されたおにぎりをご購入いただくと、1個につき1円を“全国社会福祉法人経営者協議会”を通じて同協議会所属の施設に寄付するというものになります」(前同)
ローソンと並び、「3大コンビニ」と目されるファミリーマートも2021年7月から、同じくセブンイレブンは今年5月から割引シール制度を導入している。コンビニ研究科の田矢信二氏が、各社の特徴について解説してくれた。
「ファミリーマートの“涙目シール”は日本人の情感に訴えかけてくるのが特徴です。まるでおにぎりが泣いているように見えますから。それに対してセブンイレブンの“エコだ値シール”は、緑を基調に地球マークのデザインが特徴です」(田矢氏)