■独裁国家トルクメニスタンの会場で来場者を迎えるのは……
ドイツとフランスに挟まれたヨーロッパの小国・ルクセンブルクも魅力的だ。ルクセンブルク館では中世の古城と近未来のビル群が共存する街並みが体験できると話題になっている。
「ハンモックに身を預ければ、壁や床、天井に映し出される映像で“ルクセンブルクの1日”を疑似体験できる。建物の外には伝統スポーツ『9ピンボーリング』のコーナーもあり、アトラクション性が高く、家族で楽しめます」(同)
一気に世界旅行気分が味わえると人気を集めているのは、90以上の国や地域が共同出展するパビリオン・コモンズ館だ。来場者の1人が語る。
「A〜F館があり、いずれも予約不要。さまざまな国のパビリオンを一気に回れるので、おすすめです」
コモンズA館にあるのは、カリブ海に浮かぶ島国・バルバドスのブースだ。
「ラム酒発祥の国ということで、世界最古のラム蒸留所で作られるラム酒『マウントゲイ』の歴史や魅力にも触れられる。お酒好きにはたまりません」(前同)
めったに行くことができない国を知りたいという人は、トルクメニスタン館へ。
「1991年のソ連崩壊を機に独立して以降、一党独裁体制が続く国です。ベルディムハメドフ大統領の肖像画があるパビリオンは独特の雰囲気」(同)
トルクメニスタンと同様に、91年にソ連から独立したのは、ウクライナだ。
「ロシアによる侵攻が長期化し、厳しい状況が続くウクライナ。展示ブースのテーマは“Not for Sale”です。自国の資源は“売らない”とし、平和の大切さを訴える姿勢は来場者の胸を打ちます」(同)
万国博覧会という名の通り、主役は各国のパビリオン。訪問して世界旅行気分を味わってみては!?
鳥海高太朗 とりうみ・こうたろう
1978年、千葉県生まれ。航空・旅行アナリスト。帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を巡りながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆している。著書に「コロナ後のエアライン」(宝島社)などがある。YouTubeチャンネル「PTA鳥ちゃんねる」を配信中。