「推しの聖地」に地方自治体が本気参戦! 「聖地巡礼から聖地移住」地方創生の最前線

ピンズバNEWS編集部 ピンズバNEWS編集部
2025.05.09 20:00
「推しの聖地」に地方自治体が本気参戦! 「聖地巡礼から聖地移住」地方創生の最前線 小諸駅前に立つ『あの夏で待ってる』の立て看板(撮影/編集部) (C)I*Chi*Ka/なつまち製作委員会

 日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回は、人気アニメの舞台になった“聖地”に移住する流れを追いました。

 アニメや漫画に登場する地域やスポット、または作家にゆかりのある場所が「聖地」としてファンから愛されるようになったのは、今や特別なことではありません。そんなアニメの聖地を訪れる行為は「聖地巡礼」と呼ばれ、観光や町おこしの新たな形として、全国の自治体からも注目される存在となっています。

『あの夏で待ってる』の長野県小諸市や、『君の名は。』の岐阜県飛騨市、『ゆるキャン△』の山梨県身延町、『花咲くいろは』の石川県湯涌温泉など、作品の人気が地域の活性化へと直結する事例は枚挙にいとまがありません。

「アニメの“聖地”は、単に作品に登場するだけでなく、その地に新たな観光価値を付加し、時にはインバウンド需要を生み出す重要な資源です。『ゆるキャン△』の聖地、山梨県身延町では、キャンプ場や地元グルメとアニメを組み合わせた企画の展開が盛りだくさん。スタンプラリーや町めぐりイベント、非売品グッズがもらえるキャンペーンなど、ファン心理を巧みにくすぐる戦略でリピーターを獲得しました」(アニメ誌ライター)

 このように地域の観光・消費活動にも大きな恩恵を与えているといいます。

「また、『君の名は。』の岐阜県飛騨市では、映画の舞台となった図書館やバス停などが徹底的に整備され、旅行者が作中のシーンを追体験できる環境を整備。過剰な演出をせず、作品の世界観を壊さない配慮もファンから高評価を得ています」(前同)

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