●ボムの秘書役、ペ・ユラム
第1話からハッとしたのは、ボムの秘書イ・ユジンに扮したペ・ユラムの登場である。バイプレイヤーとして多くのドラマや映画に出演しているが、強く印象に残っているのが、前述のカン・マルグム主演映画『チャンシルさんには福が多いね』のフランス語家庭教師兼センスが微妙な映画監督役だ。
失業した傷心のチャンシルに惚れられる二枚目的な役柄で、観る者に違和感を与えつつも、チャンシルと絶妙な距離を保つ記憶に残る演技を見せてくれた。『隠し味にはロマンス』では彼本来の持ち味といえる、お調子者ぶりが存分に発揮されている。
●ボムの兄を演じたペ・ナラと、兄弟の母を演じたオ・ミネ
気づいていない人もいるかもしれないが、本作で人間味をほとんど感じさせないハン・ソヌ(ボムの兄)に扮したペ・ナラは、ドラマ『D.P.-脱走兵追跡官-』シーズン2で妖艶な女装ミュージカル俳優の脱走兵に扮していた俳優である。『弱いヒーロー Class 2』では敵側のボスを演じるなど、その幅広い演技で注目を集めている。
また、長男ソヌと次男ボムを競わせ、ブレない企業論理を貫き通した食品会社ハンサン創業者を演じたオ・ミネは、『おつかれさま』でグァンシク(パク・ボゴム)の母を演じ、息子可愛さでエスン(IU)によく嫌味を言っていた人である。『D.P.-脱走兵追跡官-』でも脱走兵の母親役を演じていた。この世代のバイプレイヤーとして、欠かせない存在のひとりだ。
●配信情報
Netflixシリーズ『隠し味にはロマンス』独占配信中
[2025年/全10話]演出:パク・ダンヒ『弱いヒーロー Class1』(共同演出) 脚本:チョン・スユン『少年飛行』 クリエイター:ハン・ジュンヒ『D.P. -脱走兵追跡官-』シリーズ(演出・脚本)、『弱いヒーロー』シリーズ(クリエイター)
出演:カン・ハヌル『椿の花咲く頃』、コ・ミンシ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』『五月の青春』、キム・シンロク『地獄が呼んでいる』シリーズ、ユ・スビン『愛の不時着』『弱いヒーロー Class2』、ペ・ナラ『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン2、ホン・ファヨン『埋もれた心』、ペ・ユラム、オ・ミネ