■『不適切にもほどがある!』との違い
伊東は、6歳で子役デビュー。2017年公開の初主演映画『島々清しゃ』で、第72回毎日映画コンクールのスポニチグランプリ新人賞を12歳という若さで受賞。21年前期のNHK朝ドラ『おかえりモネ』で、ヒロインの母の教え子だった中学生・石井あかりを演じて話題に。注目の若手俳優で、視聴率を押し上げる原動力になりそうだがーー。
「たしかに伊東は素晴らしい演技を見せていましたが、あくまでアメリカ国籍の元軍医であるヨウコ・ニシ・フリーマン(小池)や南(橋本)に保護されるサブキャラで、本筋には絡んではきません。彼女に注目が集まるということは、それだけ主役である2人、ヨウコと享(仲野)を軸にしたメインテーマが注目されていないとも言えます」(ドラマライター/ヤマカワ)
同じクドカン脚本でヒットした『不適切にもほどがある!』(TBS系)でも純子を演じた河合優実(23)が話題になったが、それ以上に物語の行方に注目が集まった。『新宿野戦病院』では、同じような流れになっていないようだ。
本筋に関しては、X上でも《あちらこちらに話が飛び、一本筋となるものが見れないのが残念……》《登場人物過多で全体的に薄めで荒い、演出のせい?》などと、批判的な声がある。
「第3話まで物語が消化されましたが、どうも本筋が見えてこない。今回描かれた各エピソードから、本作は《家族》がテーマのようですが、歌舞伎町住人の起こす事件、病院の存続問題、舞のNPOの活動などと、物語要素が乱立していて、それがかき消されているんです。
要するに、何が言いたいのか見えてこない状態。サブキャラの伊東が注目されるのは、物語の芯がないことの裏返しでしょう。若手俳優が称賛されるのは喜ぶべきことではありますが、手放しで喜べることではないのです」(前同)
本筋が見えてこなければ、なかなか“次も見たい”ということにはならない。視聴率が落ち続けているのには、そこに原因がありそうだ。次回は小池演じるヨウコの実の母、“イ・オンナ”ことリツコ(余)がフィーチャーされる。マユ(伊東)とカヨ(臼田)、ヨウコとリツコらの、母子の関係から本筋が見えてくるのか、今後の展開に注目だ。