若者の半数以上はトイレで「温水洗浄便座」を使わないと…温水洗浄便座は本当に不衛生なのか

ピンズバNEWS編集部 ピンズバNEWS編集部
2025.07.08 20:00

■プロが教える正しい温水洗浄便座の使い方!

 また、温水洗浄便座の誤った使い方で、肛門周りのトラブルに陥る人も少なくないという。

「熱いお湯や勢いの強い水で皮膚の持つバリア機能まで落としてしまうことで、菌に汚染されやすくなり感染や湿疹などを引き起こすことがあります。また、『お尻の表面を洗う』役割のはずが、水圧を上げてお尻の中まで洗おうとしたり、便意を促すのに使用する人も見受けられます。間違った使い方で、必要以上に便でノズルを汚してしまうことで、次に使う人にリスクを及ぼす恐れはありますね」

 衛生的に安全に使うなら、「使い慣れてきたからとエスカレートした使い過ぎや間違った使い方はしない」ことが大切だと草間氏は語る。

「ぬるめの水で、水圧は弱。5秒ほどで表面を洗い流した後に、ペーパーで優しくおしぶきするのが鉄則です。なお、『ビデ』で洗うなら清潔では、という考え方もお見受けしますが、ノズルは共通なので衛生的に違いはありません」

 ここでふと思い出したのは、松本人志さんの『ティッシュ爆弾』エピソード。温水洗浄便座がないなら、トイレットペーパーに水を含ませてお尻を拭けばよい! というお話だが。

「ウェットティッシュでよくお尻を拭きすぎるのも、それが刺激となって逆効果となる場合もあります。排便異常や痔疾患などある場合は拭ききれたか心配もあると思いますが、出先で使用が不安なときは、まずはペーパーで優しく、きちんとおしぶきするだけでも十分です」

 温水洗浄便座は、日本が作り出した“文明の利器”。身近になった今、改めてその使い方を知っておいても良いだろう。

草間 香(くさま・かほる)
草間かほるクリニック院長。金沢医科大学卒業、東邦大学医学部付属大森病院第一外科にて研修後、外科専門医取得。 日本大腸肛門病学会専門医取得。 内痔核治療法研究会会員、日本消化器内視鏡学会会員、日本医師会認定産業医。 テレビや雑誌などでも活躍中の大腸肛門専門医。

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