『べらぼう』福原遥は“ダーク花魁”で小芝風花を超えるか&芳根京子『めおと日和』は“夫に復讐系ドラマ”へのカウンター作【2025年5月「ドラマ」騒動トップ2】

ピンズバNEWS編集部 ピンズバNEWS編集部
2025.06.21 03:13

■ベタだから求められている『めおと日和』

 芳根はさすがに純情演技が板についているし、本田も少しかたいところがあるが、それがぎこちなさを強調して良かった。バイプレイヤーの経験は豊富な2人、甘味処を営む瀧昌の幼なじみ・坂井嘉治役の戸塚純貴(32)と海軍の同僚・深見龍之介役の小関裕太(29)も、絶妙な息の合わせ方。今後も芳根と本田を盛り上げてくれそうだ。

 ドラマの内容を見るとたいして大きな事件も起きず、舞台は新婚家庭が中心で、場面転換はほとんどなかった。単調な内容になりそうだが、だからこそ2人のじれったい関係性を堪能できた。ここまでムズキュンに振り切ったのは、ある意味で潔い作りだと言えるだろう。

 昨今の恋愛ドラマはミステリーや複雑な人間関係を絡ませたりと、ストレートにキュンを楽しめるものは、ほぼ絶滅状態になっている。深夜帯にわずかに残っているものの、主流は夫への復讐系で、今期も不倫夫、モラハラ夫、束縛夫に妻たちが復讐する『夫よ、死んでくれないか』(テレビ東京系)が好調だ。 

 一方で、キュンを楽しみたい人たちは確実にいるようで、《あまりにも良すぎるドラマかもしれない。恋模様がピュアすぎて、もどかしくなるし今後を見守りたい》《不倫とか復讐とかモラハラとか子宮とか、そういう内容にはうんざりしてたから久々にピュアなの待ってた》などと、本作を歓迎する声は多い。

 昭和初期が舞台とあって、本作では、昨今いろいろ取り沙汰されるモラルを気にする必要はない。舞台もセットがほとんどで、ロケをしないで済むから、制作費も安く済む。そんな作る側にも都合がいい時代のラブロマンスは、これから流行るかもしれない。その点でも『めおと日和』に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

(2025年5月1日公開)

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